交差縦走・八十里越
その2 吉ヶ平~入叶津
青木 綾子

山行日 2025年11月8日~9日
メンバー (L)田中(聖)、佐藤(明)、菅原、青木、川口(修)

 トンネルを抜けるとそこは雪国・・・ではなく、まばゆいばかりの黄金に輝く只見の地だった!今年は紅葉の当たり年と聞くけれど、期待以上にすばらしい。川口さん、聖さんとともに登山口である新潟県三条市の吉ヶ平に向かっている車内でも美しい紅葉風景に歓声が上がる。
 登山口の「吉ヶ平自然体感の郷」で明さん、菅原さんと合流。20年ほど前の岩つばめを読むと、ここには廃屋のような古い校舎が立っていたようだが、きれいな山荘に生まれ変わっていた。ここから少し登ったところにある林道脇スペースに車を停め、八十里越えは2回目という聖さんリーダーを先頭にいざ会津へ向かい出発。 八十里越えは越後と会津を最短で結ぶ道で、江戸時代から明治末期まで人や物資輸送で使われた幻の峠道だという。越後の民(新潟出身)の私としては興味深く、またこの八十里越えを結ぶ国道工事が、なんと開始から40年を経てあと1年ほどでようやく完成する見込みとのことで、開通前にその姿を見てみたかった。(勝手な想像だけど、いつまでも開通しないから『幻の峠道』と言われたのではないのかな。)
 ルートはところどころ道が崩れていたり倒木が邪魔していたり、ぬかるんでいたりでちょっと面倒。でも道幅が広く全体的には歩きやすい印象だった。山ではなく国道なので、基本的には歩きやすいよう平らに道が敷かれているようだ。
美しいブナの原生林  途中、何かに引っかかれたようなボロボロの木の杭があり『クマのいたずら』と書かれていた。最近、熊被害のニュースが多かったのでこの日のために仕入れた燕三条製「熊おどし」で火薬をぶっぱなす。鉄砲のような大きな音が響いてなかなかよい。菅原さんは火薬で鳴るおもちゃのピストルを持参していた。ただ地元の人の話では、悪さをするのは町に出た熊で、山の中にいるのは自分から人間へは近づいてこないものらしい。
 新潟と福島只見をむすぶ国道289号線も峠の上から眺めることができた。一般車両はまだ走っていない。開通したら絶景ドライブコースになること間違いなしだと思う。
 美しいブナの森を歩いていくと噂に聞いた山のお宝発見。その後も幹をびっしり覆いつくすキラッキラな、なめこの木と出会うなど秋を体感できる山歩きだった。八十里越えではなめこを蹴散らして歩くとか、なめこで滑って転倒するだとかいう噂がささやかれているが、信じるか信じないかはあなた次第。ぜひ行って真相を確かめてください。
 14:30に幕場となる空堀小屋跡に到着。こちらのチームは1日目の距離が短いので、ここで食事の準備をして、会津側、入叶津(いりかのうづ)からやってくるパーティーの到着を待つ。
 聖さん特製なめこ入り豚汁に舌鼓をうちながらのんびりしていると日もどっぷり暮れてきた。入叶津チームはどのあたりまで来ているのだろうか。まだかまだかと思っていると遠くから「モートー」と声が聞こえ、暗闇からヘッデンの明かりが近づいてきた。入叶津チームの到着だ。こうして逆ルートからくる仲間を出迎えることもなかなかないので楽しい経験だった。入叶津チームが幕場で合流するとさらに賑やかな宴が始まった。
 幕場で両チームの車両のカギを交換し、翌日は反対側の登山口を目指して進む。我々のチームは2日目の行程が長いので一足お先に幕場を後にする。こちらも崩れた斜面のトラバースなどありなかなか気が抜けない。小さな沢の渡渉がいくつもあり、沢へ下りて登ってを繰り返す。
 終盤は雨模様となった。小雨の中、樹林帯を歩き続けるとようやく道路が見え、福島県側の登山口に到着。工事中の道路をしばらく歩いて車を回収し、近くの温泉施設「むら湯」で汗を流した。
石碑の前にてチームメンバーで 追記:むら湯は丁度新そばキャンペーン中で、ここで食事をしたら温泉無料というお得なサービス付きだった。「只見町そば部会」の打った蕎麦、おいしかったです。

〈コースタイム〉
【11月8日】 吉ヶ平登山口(8:00) → 椿尾根取付(9:30) → 番屋峠(11:40) → 空堀小屋跡(幕場)(14:30)
【11月9日】 空堀小屋跡(幕場)(6:00) → 鞍掛峠(7:30) → 木ノ根峠(9:50) → 大麻(13:30) → 入叶津登山口(14:50)